今年こそ!! 〜夏バテ知らずの体になる極意〜 

夏バテ

今年の日本は、例年以上に猛暑が厳しく、普段から体を鍛えているアスリートでも、夏バテしやすい日々が続いています。しかも、今年は暑い期間がとても長く、2学期が始まってもしばらくは、夏バテや熱中症の対策が必要です。 

そこで今回は、今年こそ知っておきたい夏にバテないで、しっかり食べられるジュニアアスリートになるコツについてご説明します。 

■子供は大人より夏バテしやすい? 

まず、どうして夏バテするのかについて説明します。人間には、気温が変わっても、体温を一定に保つ「ホメオスタシス」という機能があります。例えば、オーロラを見にカナダに行っても、ハワイの海に泳ぎに行っても、体温は下がったり上がったりすることなくほぼ一定です。 

環境の変化に左右されずに、一定の体温に保つためには、エネルギーを使います。冷たい食べ物や飲み物が体の中に入って、そのまま消化や吸収をすると、体温が下がってしまうので、その前に体温とほぼ同じ温度まで温めます。 

体温を冷やさないようにするためには、エネルギーが必要で、エネルギーを使うには、体力が必要です。つまり、体はもともと汗をかくことで、体温を下げようと頑張っているのに、さらに体を冷やそうとすることで、エネルギーをどんどん消耗してしまうわけです。 

その結果、「疲労感が抜けない、体が重い、だるい、食欲がない」といった夏バテになります。子どもは大人よりも、暑い屋外でも元気に過ごしているように見えますが、実際には大人よりも子どものほうが圧倒的にバテやすいのです。 

大人の体内の水分量は、体重の約60パーセント弱なのに対して、子どもの体内の水分量は70パーセント弱です。子どもは大人よりも、体内の水分の割合が大きいので、汗をたくさんかいて、水分を一気に失うと、すぐに脱水状態になり、夏バテしてしまいます。 
 

さらにジュニアアスリートは、激しいパフォーマンスが長時間も続いたり、トレーニング中に疲労を感じても、やめずに続けたりすることが多いので、本人も気付かないうちに夏バテになっていることも少なくありません。 

■夏バテしやすい子としにくい子は何が違う? 

夏バテしにくい体質づくりには、疲労をしっかりと回復できる「睡眠時間」と、自律神経を乱さない「早寝早起き」が欠かせません。蒸し暑い夏に、良質な睡眠を確保するためには、湯船に入って体を温める入浴が有効です。入浴で体も心もリラックスし、睡眠の質を高めます。 

睡眠中は体温が下がり、起きると体温を上げ、1日の活動をスタートするためのエネルギーを補給する必要があります。そこで、朝食をしっかりと食べることが大切ですが、まだ眠たい状態で、起きてすぐには食が進まなかったり、食べられたとしても胃腸に負担をかけてしまいます。 

朝からしっかりと食べて、栄養を補給することは夏バテ予防の基本です。そのためにも、早寝早起きで、朝出かけるまでの時間に、ゆとりを持たせるように心がけてください。 

■夏バテしない献立とは? 

ジュニアアスリートは、パフォーマンスに使う栄養素だけでなく、体の成長に使う栄養素も必要になります。そこで最も重要なのは「良質なたんぱく質」です。たんぱく質は筋肉や骨の成長に加えて、免疫力を強くする栄養素で、丈夫でバテない体質づくりには欠かせません。 

良質なたんぱく質は、体の中で作れないので、食べ物からしか摂取できない必須アミノ酸をバランス良く取り入れることが大切です。必須アミノ酸は、運動中のエネルギーとしてアスリートには重要で、不足すると睡眠の質が低下して、心と体の疲れがとれません。 

代表的な食べ物としては、卵や肉、魚、乳製品といった動物性たんぱく質ですが、えんどう豆や枝豆、納豆等の豆類、ブロッコリー、アスパラ、アボカド等の植物性たんぱく質も当てはまります。 

良質なたんぱく質とミネラル、ビタミンで夏バテを防ぐので、スポーツドリンク、冷たい麺、アイス等ばかりで、エネルギーを補給していると、すぐにバテてしまう体質づくりにつながるので要注意です。 

■食欲が低下してしまったら? 

夏バテしてしまうと、体力が落ちて胃腸の動きが悪くなり、食欲がわかなくなります。そこで、おすすめなのがお味噌汁です。大豆の良質な植物性たんぱく質が、発酵しているお味噌は、体に吸収されやすく、具を変えれば毎朝でも飽きません。 

お味噌汁の具なら、見た目にも食べやすく、主催のお肉や魚、卵等が食べづらくても、お米が進みやすくなります。また、ジュニアアスリート自身が簡単に用意できるので、自分で朝食を用意して食べることも可能です。 

<簡単即席味噌汁の作り方> 

お味噌300gに、粉末のかつおだし20gと、好みの乾燥野菜やわかめを混ぜ、タッパーや保存袋で保管しておき、お味噌汁を食べたい時は、お椀に大さじ1~1.5入れてお湯を注ぐだけで食べられます。野菜不足が気になる食生活にもおすすめです。 

また、酸味と香りで、食欲を増進させる方法もあります。ねぎ類やニラ、にんにく等のアリシンと呼ばれる香りと、お酢やかんきつ類、梅等のクエン酸と呼ばれる酸味は食欲がわかない胃腸をサポートしてくれます。 

その他にも、納豆や豆腐等の発酵食品や、乳製品は食べやすい子供が多いです。とはいえ、カプサイシンの辛味や、ねばねばした食感だと食べやすい場合もあり、何が食べやすいかは個人差があるので、本人に合う対策を一緒に探してみてください。 

いかがでしたか。今回は夏バテしない体づくりの極意についてお伝えしました。 やはり、夏バテにも睡眠、栄養が、大切なことはおわかりいただけたことと思います。 まだまだ暑い夏が続きますが、今回のコラムを参考にして、夏バテ知らずの体を手に入れましょう。 

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