新年が明けてさあ心機一転練習スタートのタイミングは誰でも気合いは入りますが、誰でも体調を崩しやすい時期でもあることをご存じでしょうか。
年明けは毎年必ず風邪気味で熱が出たり体がだるくなったりする悩みを抱えるジュニアアスリートと保護者の方はまずは体の「芯」に注目してみてください。
アスリートでも免疫が下がる理由
「日頃から体を鍛えているアスリートは病気に強くて風邪をひきにくい」というイメージを持っていませんか?意外に思われる方が多いのですが、実際にはむしろ逆。プロレベルのアスリートが行う激しいトレーニングは免疫力を弱らせる時間なのです。
運動そのものは免疫を高めます。とはいえ、長時間のトレーニングを高い頻度で続けているアスリートは日常生活の中でほぼ運動のための時間はない方と風邪のひきやすさを比較するとほぼ同じ。つまり、体を鍛えていたら風邪とは無縁というわけではありません。
免疫機能の維持に適度な運動はとても有効です。とはいえ、ハードなトレーニングを日課にしているアスリートは一般の人よりも免疫力がどうしても低くなりがち。そのため、アスリートは日常的に「食事・休息・睡眠」を工夫して冬の風邪を防ぎます。
練習をすればするほど上達すると思いがちですが、休息をおろそかにすると風邪を引きやすくなります。オリンピックなどの国際大会の本番直前に感染症や胃腸炎でリタイアするアスリートが多いのはある意味不思議ではないのです。
休息や睡眠は本人が過度にトレーニングをしたがる時期こそ周囲が意識して時間を確保したいもの。そして、休息と睡眠と合わせて欠かせないのが食事からのアプローチです。寒さに負けない免疫力のカギは「芯」にあります。
「芯」から温まる習慣
体は冷えると血液の循環が停滞することで栄養の分配も停滞して抵抗力が下がります。この体の冷えを防ぐためには保温性の高いアンダーウェアやネックウォーマー等も有効ですが、体の芯を温めるためには口から取り入れる食事からのアプローチが欠かせません。
芯から温まる食材の基本は良質なたんぱく質で、そこにねぎ類やしょうが、香辛料を組み合わせます。練習後に食が細くなる場合、具沢山の鍋料理は食べられる量だけ食べられるのでおすすめです。調理の技術を問わないので、一人暮らしのジュニアアスリートは自炊のきっかけにもなります。
鍋料理はウイルスと戦ってくれるビタミンA・C・Eをお野菜からまとめて摂取しやすい点も魅力的です。エースとも言われるこれらのビタミンは緑黄色野菜に豊富なうえ、水分に溶け出すビタミンも雑炊等で出汁も食べることでしっかり吸収できます。
そして、冷え予防のサポーターとして赤身のお肉は欠かせません。豚肉は体を温める作用が少ないですが筋肉疲労を和らげる効果があるので赤身なら積極的に食べることをおすすめします。脂肪が少ないので体重コントロールが気になるアスリートにも理想的です。
悪玉菌は大敵
体の芯から温めることと同時に意識したいのが腸の健康です。腸内の悪玉菌は有害物質を発生させながら免疫を下げます。大切な試合やテストの前には特に意識することで風邪への抵抗力を強化する可能性が期待できます。
たんぱく質の十分な摂取な大切ですが、脂質のとりすぎやたんぱく質でお腹がいっぱいになって食物繊維が不足すると悪玉菌が元気な腸内環境に。唐揚げやとんかつ等のお肉の揚げ物にはたっぷりのキャベツを添えましょう。キャベツは骨を強くするカルシウム満点です。
そして、生野菜が苦手でも食べられてお米と一緒にプロスポーツ選手も支える汁物といえばお味噌汁。野菜はかさが減るのできのこと一緒に自然とたっぷり食べられます。お米が中心の生活になると悪玉菌が増える原因になるパンやパスタの摂取量が減らせる点もメリットです。
ハードなトレーニング後でお肉やお魚が進まなくてもお米が進みやすい納豆やキムチはおすすめです。日本人の腸との相性がいい発酵食品で、いずれもおかわり自由の強豪校の運動部寮もあります。
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