ジュニアアスリートの集中力を高める秘訣は 腹式呼吸と糖質!! 

腹式呼吸

人間が、集中力を継続できる時間は30分、さらに、高い集中力を維持できる時間は15分と言われます。とりわけ子どもが、集中力を維持するのは簡単なことではありません。 

それでも、集中力の向上は、パフォーマンスの向上のために不可欠です。そこで今回は、ジュニアアスリートが、集中力を高めるポイントについてご説明します。 

■集中力が切れる原因を知って「呼吸」で集中 

試合中に、子供達の集中を妨げる要因として、本人と、周りの大人もともに覚えて意識したいのが、「過去を引きずらない」ことです。大人からの声かけが気になり始めると、不安や緊張で集中力が途切れます。 

試合中に、失敗を繰り返すと、自分の技術面で頭がいっぱいになって、今、何をすればいいのかがわからなくて、混乱状態になります。「どうすればいいのかわからない」状態に陥り、集中力が切れることで、さらに失敗を繰り返す悪循環が生まれがちです。 

「もっと集中!」と言いたくなっても、その子どもは、集中したくないわけでも、集中を後回しにしているわけでもありません。今この瞬間の自分の課題がわかっているジュニアアスリートと、なんとなく動いているジュニアアスリートでは、集中力は大きく差が開きます。 

そこで、集中力を維持するために意識したいのが「呼吸」です。人間の神経は、息を吸うと緊張が高まり、息を吐くとリラックスします。不安や緊張といったストレスを感じると、呼吸は速く浅くなります。 

呼吸が浅くなると、息が乱れやすくなり、不安感やイライラが、どんどん強まってしまいます。選手交代や、ハーフタイム等の時間のタイミングでの、腹式呼吸は難しくないので、ぜひ、指導者や保護者も一緒に実践して、習慣化してみてください。 

やり方は、とてもシンプルですぐにできます。

①3秒かけて鼻から息を吸って、お腹をふくらませる。 

②息を吸ってまま1秒停止する。 

③6秒かけて口からゆっくりと息を吐きながら、お腹を引っ込ませ息を吐き切る。 

10秒で1セットです。1分繰り返してみましょう。 

この1分間を、トレーニング前や試合前、場合によっては、ハーフタイムに全員で行うだけで、簡単に集中力の回復と維持に、大きな効果を期待できます。この腹式呼吸に加えて実践したいのが、明日のトレーニングや、次の試合ではなく、「今から始める」目標を立てることです。 

次の、貴重な試合を目指して頑張ることは、決して悪くありませんが、そこまでに、小さな目標を定めてみてください。その日までにできるようになりたい、体を強くしたいといった小さな目標が、その日に向けて集中力を維持します。 

■「好き」の力を大切に 

集中力を高い状態で維持しやすい子どもは、今の自分の目的が明確で、はっきりと主張できます。いつでも、今からするトレーニングの目的や目標を、指導者や親も一緒に、明確にする習慣が理想的です。 

そして、どのような時でも、力になるのは「好き」の力です。無理にこなさせたり、ミスをしたら罰を与えたりしても、技術の向上にはつながりません。例えば、「この練習をやり切ったらゲームを買ってもらえる」という理由では、やり切っても何も習得できません。 

うまくできなかったり、成績が伸びなかったりする時期は、プロのアスリートでも誰でもあり、自分で乗り越えることで習得できることを、ジュニアアスリートの時代から、理解しておくことは、プロを目指す過程でとても価値があります。そして、周囲がしてはいけないことは、ラベリングです。 

ラベリングは、レッテルを貼ることで、『だから』『やっぱり』等の言葉は、やる気をそいで集中力も切らします。なかなかできないことに挑戦している時ほど、「やっぱり自分にはできない」と思わせない配慮が必要です。 

そして、「集中しなさい!」と強く言っても、効果は期待できないと考えてください。「もっと肩の力を抜け!」と言われた子どもは、今の自分を否定されたと考え、むしろ過度なプレッシャーで集中しにくくなります。 

子どもはミスをしたら落ち込み、不安を覚えて自信を失いがちです。自信を失い始めると集中力も散漫になるので、「あの判断は良かったよ」のように、ほめて失敗から目先を変える、「ここは良かったと思う」など、視点が変わる声かけをしてあげてください。 

■集中力を食事でサポート 

普段の睡眠と食事は、集中力の源です。睡眠が不足していると、集中力が落ちてきた時に回復させることができません。また、睡眠不足の状態では、脳や心の状態を安定させるホルモンが不足して、すぐにイライラしたり、注意が散漫になったりしやすくなります。 

集中力を高い状態で維持するために、必要な栄養素は糖質で、合わせて摂取したいのが、ビタミンB1です。ビタミンB1には、糖質を効率的にエネルギーに変えるサポーターの役割があります。 

糖質は、お米と果物が理想的です。菓子パンやカップ麺で済ませると、小麦に含まれているグルテンが、集中力ややる気の低下につながります。トレーニング前後の補食には、かつおや梅、昆布等のシンプルな具のおむすびや、バナナ、砂糖を含まない100パーセントのフルーツジュース等がおすすめです。 

また、脳の疲労を軽減するビタミンCも、集中力の向上と維持をサポートします。みかんやレモン等のかんきつ類や、ブロッコリー、ほうれん草、じゃが芋等に豊富です。ビタミンCは、筋肉の疲労回復効果もあるので、積極的にとりましょう。 

いかがでしたか。今回は、集中力を高める秘訣についてお伝えしました。ぜひ、実践してみてください。 

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