朝食を毎日食べる習慣がない中高生がどんどん増加傾向にあります。小学生の10人に1人、中学生は6人に1人、高校生になると5人に1人が朝ごはんを食べる習慣がないというデータがありますが、ご家庭や指導しているお子様はいかがですか?
一般的な運動量よりもずっと多くのエネルギーを朝から必要とするジュニアアスリートにとって朝から食べてエネルギーを摂取することはトレーニングのためなのはもちろん学校での学習にも不可欠です。
そこで、今回はジュニアアスリートにこそ朝食がなぜ不可欠なのかについてお話していきます。
朝食が絶対に食べないといけない?
何を食べるかの前に「どうして朝食べるの?」と考える機会はとても大切です。その理由を知ることで朝食が食べられるようになる子も少なくありません。そこで、なぜ朝食の役割について子どもでもわかりやすいように簡潔に説明します。
私達の体は血液の中の量が減ると血糖値が下がります。血糖値が下がると脳が動きにくくなるので、激しい運動で不足しないように肝臓には非常用の糖質を常備しています。そこで特に朝は要注意です。
寝起きは睡眠中にエネルギーを蓄積していると思われがちですが、実際には睡眠にもエネルギーを使います。起きたら体がだるい理由は寝ている間にエネルギーを消耗しているからです。
前の日の夕食で摂取した糖質は睡眠中のエネルギーとして使用された朝のエネルギーが不足すると、私達の体は自分の力で糖質を作ろうとします。そのためには筋肉を壊さないといけません。
せっかく鍛えてきた筋肉を壊してしまうなんてと思うかもしれませんが、私達の体はスポーツに使うための筋肉の維持よりも命の維持を優先します。それだけ朝からしっかりと糖質を摂取することが重要というわけです。
アスリートはトレーニングで頑張って増やした筋肉を維持するためにも、朝からしっかりと食べて栄養を補給します。成長期のジュニアアスリートはしっかりとした体作りのためにも朝の栄養補給は大人よりさらに大切です。
「体だけでなく脳の発達も需要な時期に朝食をとらないと糖が足らなくなる。さらに午前中の脳の働きが鈍って勉強にもマイナスなので朝食は重要」ということをジュニアアスリート本人自身も知り、朝食をとることへの意欲を持ちましょう。
朝食は一汁三菜を食べないといけない?
一汁三菜とよく言われますが、いきなり食べる必要はありません。朝に何かを食べる習慣がない場合には、とりあえず15分でいいので今よりも早く起きることから始めてください。そして、何か口にすることから習慣にしていきましょう。
最初は一汁三菜どころか固形物を食べることも気が進まないかもしれません。この場合は無理せずに汁物を日課にすることから無理なく始めてください。とりあえず牛乳や野菜ジュースと思われがちですが代謝を上げられず、ワンパターンになりやすいので温かいお味噌汁やスープに可能なら添える程度が目安です。
汁物はインスタント商品が豊富で飽きにくく、お湯さえあれば本人が自分で用意することもできます。このタイミングでバナナ1本添えて固形物を朝から食べることに慣れられると理想的です。バナナは前日までの疲労からしっかり回復できる良質なたんぱく質を胃腸に負担をかけずに得られます。
すでに炭水化物を食べられるなら、良質なたんぱく質を添えることを目指してください。卵や納豆、お豆富、焼き魚は胃腸に負担をかけません。焼き魚は約1か月冷凍保存できるので、1切れずつラップで包んで冷凍することを親子で習慣化できると理想的です! いつものパンに卵やハムをトッピング、おにぎりの具に鮭や納豆をトッピングするだけでも大きく食生活を変えずに良質なたんぱく質をプラスできます。野菜と一緒に具がたっぷりのお味噌汁にすることもおすすめです。
お米とパンはどちらがいい?
お子様の食生活について「毎朝パンでもいいですか?」という質問はとてもよくあります。結論から言うとお米の方が理想的です。ご飯で丼1杯分の炭水化物は食パンなら6枚切りの4枚分に相当します。
さらに、お米はパンよりも脂質が圧倒的に少なく、子どもの頃からお米を食べる習慣をつけておくと将来的に生活習慣病のリスクを下げることにもつながります。今のうちに重量のあるお米を中心とした和食の朝食に慣れておくと大人になってからとても楽です!
朝食がご飯の場合主菜や副菜を自然と添えやすいのに対し、パンならパンだけになりがちです。大人になってから朝からパンよりも重量があって噛む回数も多いお米を食べ慣れる苦労をしないためにも、今からしっかり朝からお米を食べる体力を育てておきましょう。
ちなみに、朝は水分やフルーツのみで体の老廃物を排出するというアスリートもいますが、これから体を大きくしたい成長期の子どもは当てはまりません。毎朝ドタバタと家を出ている場合は朝食の30分前までに起きるだけでも食が進みやすくなります。 この場合にもパンやうどん等の麺類はしっかり噛まずに早食いすると血糖値が急上昇してパフォーマンスに悪影響が生じます。さらに日本人の体は空腹時に最初に小麦を摂取すると下痢や胃もたれの原因になりやすいことからも、自然としっかり噛むお米はやはり理想的です!
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