どんなスポーツでも「怪我のリスク」がありますが、野球というスポーツにおいては「投手」の怪我リスクは非常に高いとされています。
そんな投手の怪我で最も深刻なのが、「野球肘」です。
特に成長期の小学生投手に多く、実際になったことがある子どもも多いのではないでしょうか?
この記事では、そんな小学生年代に多い「野球肘」のリスクと効果的な予防法について解説していきたいと思います。
野球肘とは
野球肘は、投球や投球後に激しい痛みを感じる疾患です。
投球時に痛んだり可動域が制限されたりする「内側型野球肘」と、投球時の痛みや肘関節が動かなくなる「外側型野球肘」の2種類に分かれます。
小学生の投手の5人に1人は発症するといわれているほど、発症しやすい疾患となっています。
投球の動作はそれほど肘に負担をかけるということで、プロでも球数制限を設けるなどして肘の負担を最小限に抑えるような工夫がされています。
野球肘の予防法
それでは、実際に小学生年代の投手が意識すべき「野球肘の予防法」を挙げてみましょう。
①1日の投球数の上限を設定する
プロの投手がそうであるように、小学生年代の投手も「球数制限」を設ける必要があります。
上限を設けずに自由に投げさせてしまうと、練習や試合を含め肘に大きな負担がかかるほどの投球数となってしまいます。
理想としては、「1日50球以内」です。
50球以内であれば負担過多とならないため、野球肘を発症する確率を大幅に下げることができます。
②ストレッチを入念に行う
練習や試合前にストレッチを入念に行うことも予防策として有効となります。
手首や肘の内側、肩、肩甲骨、股関節、下半身といった投球に使用する部位全体をストレッチすることで、肘への負担を軽減させることができます。
いきなり強めのストレッチを行うと逆効果となるケースもあるため、どの部位も時間をかけてゆっくりと伸ばすようにしましょう。
「早く投げたい」という気持ちが抑えられずにストレッチを入念に行わない子どもも意外と多いものです。
指導者や親御さんは、普段からプレー前のストレッチの重要性をしっかりと子どもに伝え、実践させるように促すようにしましょう。
③投球フォームの改善
野球肘は投球フォームによっても発症確率が変わります。
ポイントとなるのは、「リリースポイントが後ろ過ぎないか」という点です。
速い球を投げようとすると、体重を前目にかけてしまう傾向にありますよね。
そうすると、リリースポイントよりも体全体が前方になり、肘に大きな負担がかかってしまうわけです。
もしも子どもがこうした投球フォームで投げているならば、なるべく早くリリースポイントが後ろになり過ぎないフォームに改善するように促しましょう。
親御さんに野球の知識がそれほどないならば、所属するクラブの監督やコーチに相談し、負担の少ない投球フォームに改善してもらいましょう。
少しでも痛みや違和感があるならばプレーは控えよう
野球が大好きな子どもは、多少痛みや違和感があってもプレーを続けてしまう傾向にあります。
そのため、親御さんとしては子どもとのコミュニケーションをしっかりと行い「肘が痛い」「肘が動かしにくい」といった言葉が子どもの口から出てこないかチェックすべきです。
もしも少しでも痛みや違和感を感じているようならば、すぐに練習や試合への参加を中止し、治療に専念しましょう。
野球肘は、早期に安静状態にして、適切な期間適切な治療やリハビリを行えば治すことができます。
悪化すると小学生年代だけでなく中学生、高校生になっても肘の痛みを抱えながらプレーしなければならない(場合によってはさらに悪化する)ので、注意しなければなりません。
まとめ
今回は、小学生年代に多い「野球肘」のリスクと効果的な予防法について解説してきました。
野球肘は主に投手をしている子どもに多い疾患です。
放っておくと野球ができないほどの状態となるため、プレーを控え適切な治療を行う必要があります。
また、ここで挙げたように普段から適切な予防法も実践すべきです。
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