「寒暖差疲労」という言葉を聞いたことはありますか?寒暖差疲労は1日の中で気温が7度以上変化する場合に生じる体の不調のことで、自律神経のバランスが崩れることでしんどい、だるいといった症状から肩のハリや腰の違和感、頭痛といった症状も生じます。
寒暖差疲労は四季がある日本ではスポーツ業界ではアスリート泣かせの症状として浸透しており、本人も親も知らず知らずのうちに悩まされているケースも多いです。そこで、この寒暖差疲労についてご説明します。
■「寒暖差疲労」とは?
寒暖差疲労で小児科や内科に通う小中高生の割合が増えています。寒暖差疲労は知名度がまだ高くないので、本人や保護者の方は内臓から来る風邪や何らかの病気ではないかと思ってかかる方が大半です。
そのため、症状の名前が疲労なので「なんだ、心配したけれどただの疲労だったね」と軽く感じてしまう方もいらっしゃいますが、寒暖差疲労はたかが疲労、されど疲労の放っておくのは避けたい症状です。
寒暖差疲労の症状は多岐にわたりますがいずれも軽視しやすく、特に子どもの場合は自分では体感していても親に伝えずに親子で放置してしまうケースは少なくありません。
■スポーツのパフォーマンスに影響
寒暖差疲労の症状はスポーツのパフォーマンスを大きく左右する原因となります。なぜなら、私達の体は自然と気温が高くなれば熱を外に放出し、気温が下がれば熱を生み出そうとするからです。
寒暖差が大きい生活をしているとこの熱の放出や生成にいちいちエネルギーを要することで疲労を蓄積していきます。これが寒暖差疲労です。そのため、プロスポーツチームにはトレーナーによる屋外の練習の気温と室内の練習の室温の温度差を5度以内に徹底した温度管理が見られることもよくあります。
冷え込む時季には外から戻ってきた子ども達の体を温めるためと考えて暖房を強めにしていると、かえって急激な温度差が原因で疲労感が強くなったり休憩してもしっかり疲労が回復できなかったりするので要注意です。
また、この寒暖差疲労は体の疲労感だけでなく、脳の疲労感の原因にもなります。練習や試合の集中力や積極性、やる気の維持等にも大きな影響を与えるので、メンタルマネジメントの面でもしっかりと対策をしたいところです。
■たんぱく質不足の食生活が増加中
成長期には大人よりも多くのたんぱく質を摂取する必要があります。さらにスポーツに励む子どもの場合には筋肉の材料として毎日しっかりと平均よりも1.5倍を目指して食べることが推奨されている一方で、実際には不足している割合が高いのです。
さらに、たんぱく質は体の中にストックしておくことができないので毎日摂取する必要があります。つまり、たんぱく質十分の食生活を続けることが大切というわけです。
普段からスポーツシーンが多い子どもの場合、1日に主菜は4品から6品が目安です。そんなにたくさん何を用意すればと感じる方は、ぜひお魚を増やしてみてください。
たんぱく質の主菜と聞くとまず肉料理を思い浮かべやすいですが、実際には脂肪の割合がお肉よりも少ないお魚のほうがグラム当たりの平均たんぱく質量は多いのでお魚も食べれば無理なく主菜の数が増えます。
■食が進まない時のたんぱく質不足対策
ハードなトレーニングの後や緊張する試合の前になると食が細くなっても不思議ではありません。ここで無理に食べさせることはかえって大きなストレスになるので禁物。無理なくたんぱく質不足を避けるサポートが得策です。
主菜のお肉は脂肪が少ない牛肉や豚肉のヒレ肉、鶏肉ならささみやむね肉は胃もたれもしにくく効率よくたんぱく質を摂取できます。また、ハードな練習後や試合が迫っている緊張状態で食が進まない場合の主食はおにぎりにすると食べやすくなります。
ほぐしたお肉やチーズ、ツナ、鰹節等を混ぜ込んだおにぎりはと食感も優しく食べやすいおにぎりです。そして、ミネラルが補給できて良質な大豆たんぱく質で体を優しく芯から温められるお味噌汁は毎日欠かさずに毎年全国大会に出場する強豪校もあります。
■麺大盛ならチャーシュープラス、ジャムパンよりあんぱん
おにぎりの他にも主菜を目にしてお箸が進まないなら無理に食べさせず、雑炊やお味噌汁からたんぱく質を補給すれば大丈夫です。雑炊は卵を多めにしてお豆腐を入れるだけでも無理なくたんぱく質を摂取できます。
お味噌汁は細切りの薄揚げや同じ程度の大きさのちくわやかまぼこ、お麩等でたんぱく質をプラスできます。少し牛乳を入れたお味噌汁は牛乳による体の冷えを防いで胃腸への刺激も少なく、メインが洋食の献立の汁物としても重宝します。雑炊もお味噌汁もとろみが出て栄養価の高い納豆もおすすめです。
主食が麺類やパンの場合はさらに肉類、お魚、卵、大豆製品を意識しましょう。麺を大盛にするなら具の量も増やしてバランスを取り、パンならとんかつやハム、たまご、ツナ、海老などを挟んだサンドイッチ等が理想的です。
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